今を生きること、未来を思い描くこと

都合の良い未来を空想しながら過ぎ去っていった日々がありました。明るい未来を想像するのは悪いことではないけど、当時の自分の状況とあまりにもかけ離れているだけでなく、そこに近づく具体的な手も打たないまま、ただ時間だけが流れていく。ホタルカフェを始める何年も前のことだけど、ぼくは確かにそんな毎日を過ごしていました。

裏の田んぼに水が張られました。これから8月末の稲刈りまで、景色が少しずつ変化していきます。

裏の田んぼに水が張られました。これから8月末の稲刈りまで、景色が少しずつ変化していきます。

今を生きるということ。それが何だか大切なことなんだろうな、って思ってはいたけど、具体的にはどういうことなのか、ホタルカフェを始める前は、というかつい最近まで考えることもありませんでした。

「今」と言っても、今その瞬間を指すこともあれば、今の生活、といった状況全体を指すこともあります。「今」の定義はそれぞれで、だから「今を生きる」ということの定義も人それぞれなのだと思います。

今のぼくたちにとって「今を生きる」ということは、ホタルカフェに関わる全てのことを、ホタルカフェそのもののためにやるということ。そしてホタルカフェがある毎日をまずは自分たちが楽しく過ごすこと。今を生きるということがどういうことか、それを考えた末にそう思ったわけではなくて、そういう状態になってしばらくして、初めて気がついたことです。

ホタルカフェを成功させて、何か別のもっと規模の大きなことをしたいわけでも、悠々自適な生活を送るための資金を作りたいわけでもない。それは確か。じゃあ未来はどうでもいいのかっていうとそうではなくて、日々思い描く未来はいつも頭の中にあります。今を大切に、確実に積み重ねていくことが、思い描いている未来につながっていくと信じて、ホタルカフェがある今の日々を過ごしたい。

ホタルカフェとしてぼくたちにできることは限られているかもしれないけど、決して少なくはないはずです。ホタルカフェに来てくれる子供たちの顔を思い浮かべながら、彼らが生きていく未来が、たくさんの幸せに包まれた日々であってほしいと思う。そしてそんな世の中を少しずつでも作り上げていけるのは、政治でも何か大袈裟な運動でもなく、ぼくたちひとり一人の「今」の過ごし方にかかっている。そう信じているから、ぼくたちはぼくたちのやり方で、ホタルカフェでできることを、これからも続けていこうと思います。

未来を思い描くことで、今を大切に生きることができる。今を大切に積み重ねていくことが、思い描いた未来を形作っていく。

そしてそう思える今の自分を形成したのは、たくさんの大切な人たちとの出会いに恵まれた、自分の過去なんだということ。それを忘れないようにしたい。

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