ぼくたちにとって大事なことは何か

刻一刻とオープンのときが近づき、とにかくやるべきことをこなす日々。原価の計算や提供する価格、食材のグラム数など、細かな数字を追いながら、頭のどこかで何か大切なことが抜け落ちている気がしていました。そもそもどうしてホタルカフェをやるのか。ぼくたちはホタルカフェで何をしたいのか。お客様とどんな関係を築いていきたいのか。

カフェといえども、所詮はビジネス。なんだかんだ言っても儲からなきゃやっている意味がない。なんて、そんなこと実はぼくの頭の中のどこを探しても見つからないのです。ビジネスとしての飲食店経営を戦略的に考えること。そういうやり方もある、というかそれがおそらく普通、もっと言えばそうしないとビジネスとしてカフェをやる意味がないのかもしれません。

半年以上もかけて内装工事を自分たちでやって、普段はほとんど人通りのない田舎町でカフェをやるなんて、「趣味でやるの?」ってよく聞かれます。本当に趣味かというと何か違う。でもビジネスっていうのはもっと違う。そもそもそうやって区分することはもっともっと違う、と少なくともホタルカフェについてはそう思っています。

ホタルカフェを始めようと決めた後も、もちろんそれ以前も、本当にたくさんの方々のサポートを受けて、自然からの恵みも受けて、今のぼくたちがあります。そうやってぼくたちが受けてきた恩恵を、少しでも多くの人に感謝の気持ちでお返ししていきたい。

カフェもぼくたち自身の生活も続けていくために、お支払いいただく金額は決めなければならないけど、「こんな田舎までわざわざ来るくらいだから、これくらい払うんじゃないか」とか「月々の利益をいくらにするためには値段はこれくらいにしよう」とか、そういう考え方はしない。自然からもらった宝物や、地元の方々がくださる野菜に、「普通はこれくらいするから」っていう理由で必要以上の値段をつけるのはやめよう。それがオープン前の今思い出した、とてもとても大事なこと。そこを間違えたままお店をオープンしてしまったら、もう手遅れなんです。

キッシュの試作

ただいまキッシュの試作ラッシュ

ホタルカフェを「嘘偽りのない誠実な場所」にする。できるかできないかじゃなくて、そうすると決めたことです。危うく自分たちの本当の気持ちまでも偽って、ホタルカフェを始めてしまうところでした。ぼくたちが、ぼくたち自身に誠実に、正直に、幸せに働くこと。そうでなければ、お客様に対して誠実ではいられないし、感謝の気持ちをお返ししていくことができないと思います。

何年も先を見て、経営を軌道に乗せるため、自分たちが経済的に潤うため、なんて正直考えている余裕がありません。ホタルカフェの行く末を心配してくださる方々もいますが、長期的なビジョンを持ってあれこれプランをたてる前に、ぼくたちには日々考えることがある。ホタルカフェを、たくさんのお客様に気持ち良く過ごしていただける場所にしていくために、本当に大事なことは何か、それを見失わないようにこれからの毎日を過ごしたいと思います。

ホタルカフェの内装

左)客席の床には柿渋+蜜蝋ワックス。中)最近届いたペンダントライト。右)厨房にも道具が揃い始めています。

 

コメントが3件あります

  1. いよいよですね・・!

    大変ご無沙汰してしまい、大事なお店の行程を見逃してしまい、ちょっと残念です・・。

    もう少し、オープンまで掛かるのかな?な~ぁんて勝手に思っていました!

    6月~8月は、海の仕事も忙しく、ネコの手も(ホタルの手)も借りたいくらいでしたが、この熱中症危険情報が出ている中、良くぞ工事をやり遂げましたね・・!
    賞賛!尊敬!素晴らしい!!

    週末には、都合を付けてお邪魔ささせて頂きます・・。

  2. 今日は、突然にも関わらず、
    おいしいタルトとドリンクと、楽しい時間をありがとうございました。

    こんなステキなブログがあったとは!
    もっと早くに知りたかったです…。

    お店の雰囲気からも
    皆さんの熱い思いが伝わってきましたよ。

    また、オープンして落ち着いた頃にでも
    おじゃましますー。

  3. by hotarucafe |

    先日はお忙しい中、プレオープンに駆けつけていただき、
    本当にありがとうございます。

    今後ともよろしくお願いいたします!

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