冬の間だけ
3週間前の週末から、ホタルカフェのデッキには子どもサイズの小屋が建っています。何か特別に深い意味があるわけではないけど、夏が終わる頃から何となくイメージしていた光景。小さな窓から見え隠れする、夢中になって遊ぶ子供達の表情。ちょっとボロくて温かみのある木の質感。控えめな灯り。1月中旬には解体してしまうけど、大人も子供も是非どうぞ。
たくさんのお客様に支えられているホタルカフェだけど、今年のクリスマスはどうしても子供達に感謝の気持ちを返したかった。何の計算もない、子供達のまっすぐな目に、ぼくたちは本当に助けられてきたから。(もちろん大人のお客様にもたくさんの優しい気持ちをもらって、勇気づけられて、感謝の気持ちでいっぱいなんですよ!)
うまく説明できないけど、理屈抜きに元気と勇気をくれる子供達には、理屈抜きに楽しんでもらえる時間を作りたかったのかもしれません。目の前に何だか楽しそうなものがあれば、それが何のために作られたのか、誰がどうやって作ったのか、子供達にとってはそんなことは一切関係ないから。
ぼくは小さな頃、秘密基地みたいなものにすごく憧れていました。商店街の階段の下のスペースに段ボールで部屋を作ったり、マンホールの中にお菓子を持って忍び込んで、通りがかりのおじさんにこっぴどく叱られたり。
大人の手が届かない、子供だけの王国みたいな、そこでは子供がルールを作って大人に従ってもらうような、そんな時間と空間。タルトもキッシュもホエードリンクもミルクティーもぜーんぶ後回しになってしまうような、ワクワクする場所。
クリスマスの特別なイベント、例えばクリスマスディナーとかランチとか、クリスマスケーキとか、そういうのはやっぱり今年もやらなかったのだけれど、デッキに突如出現した、当初考えていたよりも随分と立派な子供のおうちが、クリスマスというものに対してぼくたちが出した、ぼくたちなりの答えのひとつ。なんて、それも後付けの理由な気がして、結局はただ作ってみたかったから、っていうだけなのかな。
最後にひとつだけ、子供たちのためではなくて、自分自身のためになったこと。それは、頭の中でイメージしていた「ちょっと無理かな」っていうものが、目の前に形となって現れたときのパワーはもの凄いんだっていうことを知ったこと。小屋を建てるなんて大したことじゃないかもしれないけど、イメージしていたことが実現するっていうのは、実はとても大きな力を与えてくれる。
思い切って行動に移したことで、Nagaiki-工房さんも相談にのってくれたり、材料を手配してくれたり、友人たちは連日手伝いに来てくれたりして、考えていたよりもずっと素敵なものになりました。小屋づくりに関わった全ての人に本当に感謝しています。
だから、やってみたいと思うことはできるだけ具体的に行動してみようと思う。そしてイメージしていたことを実現する「クセ」をつけていきたい。小さなことからでもいい、実現グセをつけて、少しずつ少しずつ自分の限界を押し広げていきたいと思えるようになったこと、それもやっぱり小屋を建てるきっかけを与えてくれた、ホタルカフェに来てくれる子供達のおかげですね。