ホタルカフェにとって初めてのホタルシーズン。昨日、おとなり山田四区で今年初めての源氏ぼたるを観てきました。ぼくたちがホタルカフェとしてこの時期をどうやって迎えるか、ずっと考えてきました。試作を重ね、シミュレーションで問題をあぶり出し、ようやく、なんとか、納得のいくかたちで夜のホタルカフェ「宵待ちホタル」ができそうです。

夜のホタルカフェ。もう少し照明を落としてもいいのかな、、、。

以前にも少し書いたのですが、もしもホタルシーズンの夜に営業をするとしても、ホタルを見せ物にはしたくなかったのです。「カフェで食べたり飲んだりしながらホタルが見えますよ」というのも、ホタル鑑賞ツアーみたいなものとセットにしたイベントのようなものも、ぼくたちの頭の中には全くありませんでした。

ぼくたちにできることは、あたりが暗くなって、ホタルが飛びはじめるまでの間、少しだけ特別な時間を提供すること。暗闇の散歩に出かける前のドキドキと、静かで美しい光のショーを前にしたワクワクを胸に、いつもよりも大きなキッシュのプレートを食べながら、大切な人たちとゆっくり過ごしてもらいたい。

ホタルは光でコミュニケーションをとると言われています。光でパートナーを見つけて、そして子孫を残していく。だから人工的な光はできるだけないほうがいいようです。外灯も最小限になるし、このあたりに住む地元の方々も照明を落とします。だからホタルが光りを放つ時間帯は、ホタルカフェも完全に消灯します。ホタルカフェがお客様に提供するのは、あくまでもホタルが飛びはじめるまでの時間。たった1時間半ほどだけど、ホタルの美しい光の記憶とともに、お客様にとって大切な思い出になったら最高です。

今年飛んでいるホタルがパートナーを見つけられる環境。無事パートナーを見つけたホタルが卵を産み付けられる環境。卵からかえった幼虫がたくましく育つことのできる環境。幼虫が岸にあがり蛹になれる環境。そしてまた来年、成虫が光を放つことができる環境。どれかひとつが欠けてしまえば、たちまち崩れてしまう自然のバランス。

自然の声に耳を傾け、この美しい光を次の世代に受け継いでいくこと。ホタルが飛ぶこの季節は日々の生活の中で忘れてしまっている大切なことを、思い出すことのできる貴重な時間なのかもしれません。

宵待ちホタル：
6月1日〜30日の毎週金・土・日曜日17:45〜19:30
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