その場所に馴染む色
先日テレビでスウェーデンの首都、ストックホルムの街中を歩く番組を観ました。古くからある建造物を大切にしながらも北欧らしいスタイリッシュさを取り入れた街並み。やっぱりヨーロッパは街並みがとても素敵だなあ、とあらためて感じました。中でもぼくが特に気になったのはその色使い。色の彩度や明るさの微妙な違いだけど、ぼくの感覚にはない色でした。
広場を取り囲む色とりどりの建物の中に、くすんだ赤色の建物と、ほんのり緑がかったグレーの建物がありました。この色合わせにすごく惹かれたのと同時に、この色はきっとストックホルムという街だから似合うのだと思いました。ストックホルムの空の色、ストックホルムの街をゆく人々の持つ雰囲気、ストックホルムを流れる空気。その中に溶け込んでいるからとても素敵に見える。隣りにくすんだ黄色の建物があるから馴染んで見える。
カフェの内装やインテリアを考えるとき、どうしてもイメージ先行で考えてしまいがちです。「フランスの田舎にあるような」とか「イタリアのバールみたいな」とか「東南アジアの雑貨が似合うような」とか。実際に海外で見た具体的なイメージを記憶の中から引っ張ってきては、「あのカフェのこんなところが良かったなあ」なんてディテールを考えてみたりして。
例えばものすごく北欧が好きで好きでたまらないから、北欧のデザインや家具を取り入れる、というオーナー個人の強いこだわりがあるのならともかく、ただ何となくいいなあと思うイメージをつぎはぎのように組み合わせるだけでは、結局はちぐはぐなものが出来上がってしまうのかもしれません。
正直な告白をすると、ぼくたちにはまだ「これだ!」という明確なイメージがあるわけではありません。何が正解かなんてわからないし、これから先もきっとわからないんじゃないかと思います。今はただ、この場所に通い、家づくり・カフェづくりに携わり、近所の方々と話をし、ながいき工房さんたちが建ててくれた建物の形と周囲の木々や田んぼを見ながら、ホタルカフェとそこで働くことになるぼくたち自身が、このいすみ市の里山風景の中に馴染んでいくようなカフェづくりをしたい。イメージばかりを追い求めて主張しすぎるのではなく、いつかこのホタルの里の空気の中に溶け込んでしまうようなカフェになればいい、そんな風に思っています。
そうだね。その場所その場所に似合った色や形ってあるよね。
私もイタリアで原色のスーツ来てる男の人を見たとき、何か不思議と街とあってたのを思い出します。
あそこで買った、黄色のシャツなんか日本でもNZでもちょっと奇抜で着てないなあ。。。
ホタルカフェはきっと回りの景色にとけ込むようないい感じになりそうだね。そう、人間もね。:):)
ついつい表面的なスタイルを手っ取り早く取り入れてしまいそうになりますが、無理なく自然の流れにまかせてカフェづくりをしていければと思っています。
とはいえ、考えなければならないこと、決めなければならないことは山ほどあって、いつまでもダラダラと作っているわけにはいかないのも事実なので、ただただ自然にゆっくりと、というわけにはいかなそうですが、、、。